2023年11月、埼玉県飯能市にあるメッツァビレッジにて開催されたトントゥフェスティバル。「#みんなちがう、だけどおなじ」を合い言葉に、ワークショップやマルシェ、ゲーム、パラスポーツなど、さまざまなプログラムが楽しめるイベントです。

このイベントの開催を支援しているのが競輪とオートレースの補助事業。一体どんな人が、どんな想いを持ってトントゥフェスティバルを開催しているのかを知るため、オートレーサーの佐藤摩弥選手が現地を訪ねます。

画像: 【CYCLEの窓#2】 障がいのある人と社会をつなげよう~「みんなちがう だけどおなじ」トントゥフェスティバルにオートレーサーが訪問~ youtu.be

【CYCLEの窓#2】 障がいのある人と社会をつなげよう~「みんなちがう だけどおなじ」トントゥフェスティバルにオートレーサーが訪問~

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イベント当日、佐藤選手を迎えてくれたのは主催者である「NPO法人ディーセントワーク・ラボ(以下、ディーセントワーク・ラボ)」の代表理事、中尾文香さんです。

「今日は来てくれてありがとうございます!トントゥフェスティバル、ぜひ楽しんでくださいね」

会場を案内してもらいながら、佐藤選手は中尾さんに法人の活動内容や、イベントに込めた想いなどについて聞いていきます。

画像: オートレーサー 佐藤摩弥選手(左)とNPO法人ディーセントワーク・ラボ 代表理事 中尾文香さん(右)

オートレーサー 佐藤摩弥選手(左)とNPO法人ディーセントワーク・ラボ 代表理事 中尾文香さん(右)

「ディーセントワーク・ラボでは“障がいのある方が働くこと”に関連したさまざまなサポートを行っています。私たちは普段から障がいのある方と接していますが、その中で感じるのは彼らと私たちは“おなじ”だということ。でも、世の中には障がいのある方と自分との“ちがい”を強く感じる方もいらっしゃいますよね。その感じ方の違いは、接点の少なさも関係していると思うんです。だから、それぞれの“ちがい”と“おなじ”を知り合うきっかけを生み出したいと、2021年よりトントゥフェスティバルをスタートしました。みんなで一緒に楽しみながらお互いを理解し、社会やグループでの“役割”を見つけ合うきっかけにつなげたいと考えています」

法人の名前でもある「ディーセント・ワーク」は、SDGsの8番目の目標にも掲げられている言葉。日本語に訳すと「働きがいのある人間らしい仕事」だそうです。中尾さんを始め、ディーセントワーク・ラボのみなさんが目指しているのは、障がいのある・ないにかかわらず、すべての人が「ディーセント・ワーク」を実感できる未来。トントゥフェスティバルは、その未来を叶えるための一歩なのです。

これまでの人生で、障がいのある方と関わる機会はあまりなかったという佐藤選手。今回のイベントを通じて、どんな「ちがい」や「おなじ」を見つけることができるのでしょうか。

障がいがあっても、なくても。みんなで楽しめることがたくさんある

会話を楽しみながら、会場を一緒に巡る佐藤選手と中尾さん。湖が一望できる自然豊かな会場には、親子連れの方やお友達と一緒に遊びに来た方、通りすがりに気になってイベントをのぞいてみた方など、たくさんの方が来場していました。ふたりも、他の参加者の方に混ざってイベントを楽しみます。
まずはインクルーシブダンスで盛り上がるステージへ。年齢や性別、国籍、障がいの有無に関係なく、誰もが一緒に活躍するダンスチームの躍動感あふれるパフォーマンスを手拍子で応援します。

画像: RAYVEL&NEC ダンサーズのみなさんのパフォーマンス

RAYVEL&NEC ダンサーズのみなさんのパフォーマンス

他にも、映像と手話だけを使った謎解きゲームにチャレンジしたり、麦ストローでヒンメリづくりにトライしたり……障がいのある方が働く事業所などが出店するマルシェコーナーでは、佐藤選手が気になったフィナンシェを試食して「おいしい!」と感動する場面もありました。

画像: 人生で初めて「ボッチャ」をプレイする佐藤選手

人生で初めて「ボッチャ」をプレイする佐藤選手

パラリンピック競技でもある「ボッチャ」の体験コーナーでは、ボランティアスタッフとして参加してくれたお子さんから投げ方のコツを教わるなど、ボランティアのスタッフさんや参加者の方と一緒にイベントを満喫していました。

「すごく楽しいです!謎解きゲームでは“声を使わずに伝えるのってこんなに難しいの!?”という驚きと同時に、“色やものをこうやって手話で表現できるのか!”という発見もありました。ボッチャは想像以上に難しかったのですが、とても面白くて、また絶対やってみたいですね。イベントのテーマでもある“ちがい”や“おなじ”をたくさん体験できる時間となりました」

画像: 障がいがあっても、なくても。みんなで楽しめることがたくさんある

イベントの体験後、佐藤選手は中尾さんに「補助事業を活用しようと思ったきっかけ」や「トントゥフェスティバルを通じて感じる変化」などを聞いていきます。

「トントゥフェスティバルの開催には競輪とオートレースの補助金を活用させてもらっています。やはりイベントを開催するとなると、準備する時間や人手がたくさん必要で、費用もすごくかかります。補助金がなければ、開催できないどころか、“開催しよう!”の想いすら生まれていなかったかもしれません。それに、ボランティアの方や企業・団体のみなさんもたくさん協力してくれて……私たちだけの力ではできなかったことをこうやって形にできて、本当に良かったなと思います。開催できたことで、佐藤選手のように感じてくれる方、通りすがりに興味を持って参加してくれる方、障がいに対するイメージが変わったと言ってくれる方など、いろんな方との接点が生み出せているのも嬉しいですね」と、中尾さん。

「トントゥフェスティバルを通じて私も学ぶことがたくさんありました。障がいのある方は“できないこと”もあるかもしれないけれど、“できること”がこんなにたくさんある。それを知るとても貴重な機会となりました」と、佐藤選手も続きます。

「やりたいから、やる」の素直な姿が、見た人の心を動かす

画像1: 「やりたいから、やる」の素直な姿が、見た人の心を動かす

対談中も、会場では障がいのある方々によるパフォーマンスが繰り広げられていました。その様子を見て「彼らは、自分の素直な気持ちをとても大切にしているんですよ」と話す中尾さん。

「私たちって、心のどこかで“誰かに評価されたいからやっている”という部分がないですか?でも、彼らは “踊りたいから踊る”、“楽しいからつくる”という自分の素直な気持ちを何よりも大事にしています。その姿を見ていると、私も楽しくなってくるんですよね」

そう言われて、佐藤選手は少しハッとしたような表情を見せます。

「まさにそうですね!つられて楽しくなっちゃいます。私もオートレースに出場するときは、心のどこかで“いい成績を出して認められたい”などと思ってしまいがち。でも、デビューした頃を思い返すと、“自分が走りたいから走る”や“走るのが楽しい!”といった気持ちの方が強かったはずなんですよね。今日、イベントを体験して初心を思い出せたというか、自分の素直な感情を改めて大事にしたいなと思いました」

画像: 人を喜ばせることが大好きな妖精「トントゥ」と記念写真を撮る中尾さんと佐藤選手

人を喜ばせることが大好きな妖精「トントゥ」と記念写真を撮る中尾さんと佐藤選手

たくさんの人の「ちがい」と「おなじ」を知るだけでなく、自分の忘れていた一面を思い出すきっかけにもつながったと話す佐藤選手。最後は「中尾さんのこと、ディーセントワーク・ラボのこと、これからも応援しています!」と、笑顔でエールを送りました。

画像2: 「やりたいから、やる」の素直な姿が、見た人の心を動かす

ディーセントワーク・ラボでは「トントゥフェスティバル」の他にも、障がいのある方の雇用支援や障がいのある方の強みを一緒に見つける活動など、さまざまな事業を展開しています。一人でも多くの方が「ディーセント・ワーク」を実現するためにも、私たちに何ができるのか、常に模索していきたいですね。

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