ある日、自分が"がん"だと知ったら?—アピアランス・サポート東京
明子さんは戸惑っていた。あと半年で高校生の娘の卒業式だという時に、再び乳がんが見つかったからだ。9年前とは反対の、右胸に腫瘍ができていた。治療の見込みはあると医師に聞き、一つ胸をなで下ろしたが不安は残る。抗がん剤で髪が抜けてしまうとも告げられた——。そんな矢先に出会ったのが、一般社団法人アピアランス・サポート東京。脱毛や爪の変形など、がん治療の副作用に悩む人たちを、美容のプロとして支えている。近年、医療における「外見(アピアランス)」のケアの重要性が増している。背景には、がん治療の現場の大きな変化があるという。