いのちを守るワクチン運搬庫は、どう生まれた?——新潟県工業技術総合研究所
新型コロナウイルスのワクチンを凍らせたまま運べる、国内トップシェアの運搬庫「ディープフリーザー」——。開発したのは、新潟県燕市の家電メーカー、ツインバード工業株式会社だ。2021年春、全国で行われたワクチン接種のために同社が生産した台数は、従来の生産能力を大きく上回る1万台超。ワクチン接種が進んだ背景には、燕三条地域の企業の技術力とネットワークがあった。増産の過程で不可欠なディープフリーザーの安全性能を検査したのが、地域の公設試験研究機関(公設試)、新潟県工業技術総合研究所だ。ワクチン運搬庫が生まれた過程を探るため、まずは2021年12月中旬、金属加工産業で知られる燕三条地域にある、ツイ...