誰もが音楽を楽しむには、どうしたらいいだろう?—名古屋フィルハーモニー交響楽団
小さな子どもとその親も、障がいのある人たちも、普段コンサートに来れない全ての人たちに音楽を届けたい——。名古屋フィルハーモニー交響楽団はそのために、福祉コンサート「夢いっぱいの特等席」を開き続けてきた。きっかけは公演中に退席した親子がいたこと。子どもが声を上げるのを、母親が気に病んで席を立ったという。その姿を見た楽団職員は考えた。コンサートに来たくても、来られない人がいる。その“壁”は何だろう。誰もが音楽を楽しむには、どうしたらいいだろう。一人の気づきからコンサートは始まった。声を出してもいい。立ち上がってもいい。そんな自由なコンサートは2019年11月に20周年を迎え、約6300人が集...