感染症を予防する“工学ワクチン”とは?—京都工芸繊維大学 山川勝史准教授
「感染を予防できる空気の流れをつくれないだろうか」——。京都工芸繊維大学の山川勝史准教授はそう考えて、“工学ワクチン”と名付けた研究を10年以上続けてきた。気流を制御して空間のウイルス量を減らし、感染リスクを減らす仕組みだ。長年この“ワクチン”は見向きもされず、「使えない研究」と言われたこともあったというが、新型コロナウイルスが大流行する今、国内外で大きな注目を集めている。工学ワクチンはどう活用できるのか。2020年8月、最前線で研究が進む京都工芸繊維大学の研究室を訪ねた。
「空気の流れ」でウイルスを減らす
ディスプレイに映し出されたのは、9人の生徒が席に着く教室のコンピュータグラフィ...